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1-4 ネスト
1-4 ネスト
我々の母星、カクシカは緑の美しい星である。生命が豊富であるが、それだけに生きている上で、いろいろな注意が必要である。例えば、平原ではゴキブリトンボ(メガネウラ)のような巨大なトンボにさらわれないように、常に空も警戒する必要がある。街では、防衛隊が代わって警戒、警報を発し、撃退してくれるので、その時だけ少し警戒すればよいけれど…。
俺は踏みしめられた道を歩いて、久しぶりにネスト(巣)に帰った。ネストは迷宮のようになっているが、俺たちには匂いでどこを歩けばよいのか、分かるようになっている。
ネストの一番奥の王宮(正確には女王宮か)で、久しぶりにオフクロに会う。オフクロは忙しいから、こんな時でもないと会うことはまずない。俺は起きたことの一部始終を顎を鳴らして語り、オフクロはそれを顎を鳴らして労ってくれた。
王宮からの帰りにネスト内のカテドラル(礼拝堂)に寄る。ゴテゴテした装飾物に囲まれた、ただただ広い空間だが、正面中央に大きな羽根のついた大いなる者の像があり、単調だが荘厳な音楽が洗脳するかの如く繰り返し流れている。俺はそこで平伏して、今回の奇跡的な無事の帰還を感謝して、祈りを捧げた。
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