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1-5 軍務局
1-5 軍務局
当たり前であるが、翌朝、軍務局から呼び出しがかかった。軍務局はシュールなアミガサタケのようなビルだが、べつに芸術家が意図して作ったわけではなく、増築しているうちにそうなったものだ。少しずつ角砂糖の如く積み上げて作ればよいものを、毎度のごとく計画性がない。
受付嬢に出頭した旨を告げると、すぐに最上階に近い大会議室に連れて行かれた。
4本の腕でドアを叩いて入ると、中には12名の将官クラスの長老たちが雛壇の上に鎮座していた。オフクロと同様に、ここでも起きたことを話したが、ただ、違うのは聞き手が大勢いて、事細かく質問された。一度に10個くらい質問されても、答えられるのは一つずつだ。同時に質問せずに順番に聞いて欲しい。しかも、あっと言う間に未知の敵にやられてしまったわけだから、あまり記憶にも残っておらず、答えに窮することもしばしばだった。
ウニの棘の発光と、亜空間フィールドの溶解の場面では、あの落ち着き払った長老たちの間から、どよめきが巻き起こり、中央に鎮座している議長が静粛を求める一幕もあった。
へとへとになり、少し朦朧としてきた頃、やっと質問責めから解放された。
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