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まくらもと その2
今度は、顔を覗き込まれているような感覚が
走った。
「あかん!今、目あけたら絶対あかん!」
「ほんまもんの幽霊かもしれん!」
全身に鳥肌がたち、異様な恐怖感に包まれる。
「え~、なんやったかな?」
「前、それ系の番組でこうゆう時の対処方が
あったはずなんやけど・・・。」
「あっ!そうや!お経唱えるんやったわ。」
「なんやったかな?般若信教?」
「般若信教やったら、なんとなく知ってる。」
早速、心の中で自分の記憶を辿りながらお経を
唱えてみたが、お経なんてもの完璧に知るわけ
もなく、なんとなく聞いたことがある部分だけ
を繰り返し唱えた。
「はんにゃ~は~ら~、みったじ~。」
「うみゅなら~、なんとかならんか~。」
「もうどっか行って~。」
「はんにゃ~は~ら~、みったじ~。」
「いっさい?あ~せや、一切?金輪際?」
「もうどっか行って下さい~。」
「そして、寝かせて下さい~。」
もう訳が分からなくなって、がむしゃらに
唱え続けた。
そして数分後、目の前の感覚が無くなった。
っが突然、今度は耳から誰かの声がした。
「そんなん、あかんで~、適当は」
枕元で見知らぬ声がした。
聞いたことのない声だ。
顔から血の気が引き、恐怖感が最高潮に達した。
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