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睦生の心
「え?睦生?おまえさ、今日俺とシフト代わったじゃん」
同僚のその言葉を聞いて思い出した、確かに来週末のシフトと代わってほしいとたのまれて承諾したのだった。もともとは夜勤のはずだった。もう家には帰れない、なぜなら明朝に帰るからと直実に伝えたからだ。
「おー、行ってこい。帰りは明日の朝8時頃だよな?」
時間を確認するように聞かれた。誰かを部屋に呼ぶつもりなのだろう、もしも誰かがあの部屋にいたらどうすればいいか分からない。女性がもしもあの時のように直実と一緒にいたら、そう思うだけで心臓が痛くなる。呼吸が苦しくなる。だから今日は何があっても家には帰れない。
直実と暮らし始めたのはつい三カ月前のこと。「お前の飯美味いな、これ毎日食えたら良いのに」そう呟いた直実のひと言に飛びついたのだ。だから単なる同居人、恋人ではない。いや友達かどうかさえ疑わしいのだ。
もちろん体の関係はない、一度だけアルコールが入りいつもより調子のいい直実を説き伏せるようにして互いの身体を触ったことはある。そしてそれが、単なる排泄行為だったと分かっている。
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