あらすじ

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 新潟に住むOL栄子は親友の結婚式のために佐渡島にいた。そこで出会ったのは干からびかけたトキだった。トキは栄子から渡されたペットボトルの水を勢いよく飲み干すとお辞儀をして飛び立つ。  親友の結婚式。ウェディングベルが鳴る頃には大盛り上がり。そこで栄子が想いを寄せている和夫から式場へ向かうバスに乗ったところだと電話がかかってくる。しかしいくら待っても和夫はやって来ない。式が終わって解散となった時、バスの事故で和夫が死んでしまったことを知る。  数日後、和夫の葬式。栄子は想いを伝えなかったことを後悔する。泣きながら葬式場から出ると時の神と名乗る少年に会う。そこで、今一番強く想っていること以外の記憶を失うが過去からやり直せると知らされる。  栄子は和夫に想いを伝えたいと願い、親友の結婚式のひと月前からやり直すことになる。しかしはっきりとした記憶が無いため以前と変わらない日常を送る。和夫や友人とは結婚式の打ち合わせを兼ねて学生時代のように飲み明かしたりしていた。栄子は何故か分からないが和夫に想いを告げなければならないという強迫観念を持ってしまっていたが、ずっと変わらない関係に深い幸せを感じてしまう。葛藤のすえ想いを伝えることはできずに時間だけが過ぎる。  親友の結婚式当日。佐渡島に到着した栄子は違和感を覚える。手に持つペットボトルの水を見つめながら何か忘れているような気持ちになる。さらに式場に近付くにつれて、訪れたことが無いはずの風景にデジャヴを感じる。  そしてウェディングベルが鳴った瞬間、栄子は全てを思い出す。玉のような汗を流して混乱しだした直後、和夫から電話がかかってくる。バスから降りるように言おうとするが、和夫はバスの発車と同時に通話を切ってしまう。  電話は取ってもらえずメールでも信じてもらえなかった栄子は、和夫のバスを止めるべくパーティドレスを引き裂いて自転車を走らせる。しかし無情にも和夫を乗せたバスは栄子の目の前で事故を起こす。そこで栄子の目の前に現れたのは干からびかけたトキだった。ペットボトルの水を渡した栄子はそこで和夫の乗るバスを止めたいと強く願う。トキは姿を少年に変えて栄子を過去へと送る。  船着場に戻った栄子は式場へ向かわずに和夫を待つ。そしてバスの運行を止めて和夫に想いを告げる。  ウェディングベルが鳴る頃に――
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