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「おっまたせー」
入って来たのは明と綾と恵利、そして愛花の四人だった。愛花の両脇を抱えた綾と恵利が黒板前を陣取り、明があたしの席に走って来る。
「やってきました、愛花ターイム!って、瑠奈寝てんじゃん。折角連れて来たのにー」
寝てるあたしをつついた明は頬を膨らませ黒板前に戻る。
横を見ると、田中の笑いが止まっていた。全く話さない普段のように、やたら険しい顔で黒板前を見据えている。
「起きないの?」
綾が不満そうに言う。
「なぜか爆睡中。ていうか田中もいるんだけど」
寝ている田中を一瞥した明だが、「まあいっか。こっちも爆睡中っぽいし、さっさと始めよ」と囚われの愛花に向き直った。
「じゃあとりあえずメイクレッスンやろ!その間に起きるかもしれないし」
「了解!あれ盛り上がるよね」
沸き立つ綾と恵利が改めて愛花の両脇を抱える腕に力を込め、明がポーチを取り出す。愛花はいつも通り眉尻を下げ、曖昧な笑みを浮かべていた。
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