13.志恩の覚悟

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「千歳・・・大丈夫か?」 ノックの後、麗斗がそろりとドアをあける。 涙はもう引いていたが、目が腫れぼったくなっている。 すごい顔をしているだろう。 その顔を見られるのが恥ずかしく、手で隠しながら言う。 「大丈夫。ごめん、こんな、みっともない・・・」 くぐもった声に、そんな事無いから、と麗斗が返す。 少し、何かを迷うような間。 「・・・あいつ、嫉妬してたんだよ。  だから、思ってもないこと、言っちまったんだと思う。」 あの腹黒そうな女に脅されてたのかもしれないし。 困った顔でそう言う麗斗に、少しおかしくなる。 「麗斗・・・  そこは、俺にしとけ、みたいには言わないんだ。」 自分の口から出た言葉に驚く。 「お前、それ、言うか・・・?」 怒るというより、呆れた顔で麗斗は言った。 言えねぇよ。 気持ちが分かりすぎて。無理。 早口でそう言うと、もう大丈夫と思ったのか、 おやすみ、と言って、部屋を出ていった。
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