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その日から、志恩は人が変わったように、近衛家へ、言葉通り尽くすように働き始めた。
時間を惜しむように商談をし、話をまとめていく。
近衛家が得る利益は、膨大なものになっていった。
そして・・・
華に対しても、慈しむような優しい態度。
空く日があれば共に出掛け、わがままを言う華にも優しく笑う。
その姿を見るにつれ、正隆は、はじめこそ脅しの為に連れてきたものの、
志恩を別の目で見始めていた。
「少し、時間を作れ」
ある日、その日の商談報告をした志恩に、正隆は言った。
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