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本棚に追加「……さん、……木さん! あの、……ですか? ……だいじょうぶ、ですか?」
「……ああ、すみません」
「鶴木さん、顔が真っ青ですよ」
「いえ、ただの立ち眩みですから」
「そこのソファで横になってください」
ソファに深くもたれかかって目を閉じた。男は待合室を出て、しばらくしてから戻ってきた。
「大丈夫ですか? 良かったらお茶どうぞ」
男が差し出してきた湯のみを受け取って口をつける。
「あつっ……あっ」
「ごめんなさいっ。熱すぎましたよね。すみません」
「いえ、僕のほうこそすみません。猫舌なんです」
時間を置いて少しずつお茶を口に含む。
「あの、苦かったですか」
「え、あ、苦い? あ、はい」
言われてみれば、目の覚めるような苦味が口に残っている。
「あの、お腹すいてませんか? もし、お時間あるようなら、ご一緒に夕飯いかがですか」
「え、でも」
「実は先生の分も作っていたんですけど、急に要らなくなったって言われて。一人分余っていたんです。一緒に食べませんか、ロールキャベツ」
赤いスープでコトコトと煮こまれた、やわらかいキャベツと肉汁を思い浮かべただけで、鶴木の腹はいい音で鳴っていた。
「うわ、すみません」
「気にしないでください。いま温めますね」
受付の青年は目黒と名乗った。
招かれるままに入った奥の食堂で椅子に座ると、すぐに食欲をそそる匂いが漂ってくる。そういえば、今日は朝からなにも食べていなかった。

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