karte2. 鶴木玲の本音

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「……さん、……木さん! あの、……ですか? ……だいじょうぶ、ですか?」 「……ああ、すみません」 「鶴木さん、顔が真っ青ですよ」 「いえ、ただの立ち眩みですから」 「そこのソファで横になってください」  ソファに深くもたれかかって目を閉じた。男は待合室を出て、しばらくしてから戻ってきた。 「大丈夫ですか? 良かったらお茶どうぞ」  男が差し出してきた湯のみを受け取って口をつける。 「あつっ……あっ」 「ごめんなさいっ。熱すぎましたよね。すみません」 「いえ、僕のほうこそすみません。猫舌なんです」  時間を置いて少しずつお茶を口に含む。 「あの、苦かったですか」 「え、あ、苦い? あ、はい」  言われてみれば、目の覚めるような苦味が口に残っている。 「あの、お腹すいてませんか? もし、お時間あるようなら、ご一緒に夕飯いかがですか」 「え、でも」 「実は先生の分も作っていたんですけど、急に要らなくなったって言われて。一人分余っていたんです。一緒に食べませんか、ロールキャベツ」  赤いスープでコトコトと煮こまれた、やわらかいキャベツと肉汁を思い浮かべただけで、鶴木の腹はいい音で鳴っていた。 「うわ、すみません」 「気にしないでください。いま温めますね」  受付の青年は目黒(めぐろ)と名乗った。  招かれるままに入った奥の食堂で椅子に座ると、すぐに食欲をそそる匂いが漂ってくる。そういえば、今日は朝からなにも食べていなかった。

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