新しい朝

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新しい朝

目が覚めるとそこには、争いのない世界が広がっていた。 つけっぱなしになっていたテレビからは友愛に溢れたニュースだけが流され、手に取ったスマホで見たTwitterのタイムラインにも優しさと愛を称えた内容だけがつぶやかれていた。 大通りに面している僕のマンションには絶えず車のクラクションが煩いくらいに聞こえてくるはずだが、それも今朝は一切聞こえてこない。たまに聞こえてくる怒鳴り声や他人を罵倒する声も一切聞こえない。 いつもとは異なる状況を不思議に思いながら、僕は会社に行く仕度をはじめる。 髭を剃ろうとするといつも使っている二枚刃のシェーバーが見当たらず、その代わりに見慣れないボトルの脱毛クリームが置いてある。
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