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藍「せんせー、今暇でしょ?」
そして何事もなかったかのように会話を再開する。
ここまできたらもう天晴れだ。
颯翔先生「見ての通りだ。必修終わったから、休みが来るまで全部自習でもいいぐらい」
食べ終わったアイスの棒を確認し、アタリじゃないことに少しガッカリしながら言う。
どれだけ暇か、わかるだろう。
それをきくと、生徒たちは勝手に喋りだした。
「えー、やだぁ」
朱里「言いたくはないですけど、まともに成り立つとは思えませんよ……?」
このクラスではまともな方に入る朱里。本人の内心はともかくとして、客観的な事実を突きつける。
一方、隣の緑はというと。
緑「自習……、脱走?」
朱里「緑の脱走は止めますが」
言葉はそれぞれ違っていえど、言いたいことは異口同音に同じ。
こよみ「そういえば自習なんてしたこと無かったよね?」
新入りだったこよみが、よく考えればおかしかった疑問を口にした。
美琴「みんな遊んじゃうからねぇ~。基本、学校が自分の家みたいなものだし」
そう、このクラスに、自主的に勉強なんて出来るはずが無かった。
もちろん褒められることではない。
藍「結局遊んじゃうならさー、もういっそ最初から遊べばいいんじゃない?」
颯翔先生「好きにしてくれ」
((賛成!!!))
声にはならなかったが、その発言にみんなが同意した瞬間だった。
(え……、学校で?)
(ねむい)
一部ノリ気ではない面々もいたが、多数決主義の世の中では関係ない話だった。
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