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ただ、様々な感情が「死にたい。」に置き換わる様を見て楽しんでいるのだ。
自分自身の顔をしているから分かってしまうのだ。
黒い影の方もそれに気が付いているようで最近頻繁に「死にたい。」と囁くようになった。
今も、テストに向け友人のレポートを写していたいたらしい横の席の女性の後ろにいる影が、耳元に顔を寄せぼそぼそ俺からは聞き取れない声でしゃべると「もうやだ、テストなんて。ほんと、死にたいよー!!」と友人に言った。
テストごときで本当に死にたくなるはずがないのだ。
気持ち悪いと俺が思った瞬間、俺の後ろの影が俺の耳元に近づき「死にたい。」と囁いた。
瞬時に頭の中がもう死んでしまいたいという気持ちになる。
もはやノイローゼだ。
本当に、こんなものを見せ続けられ、聞かせ続けるのであれば“死んでしまいたい”。
ただ、自分の死んでしまいたいという感情が自分自身の物なのかそれとも黒い影に由来するものなのかがもはや分からなくなってしまっていることが、俺にとって本当に恐ろしい。
最近増えてしまった「死にたい。」という囁きに寝不足気味で目の下にくっきりと浮かんでいるであろうクマを忌々しく思いながら、乾燥して違和感のある目をこすった。
◆
寝不足気味のぼーっとした頭で講義室にいた。
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