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連れていかれたのは、駅前にあるファミレスだった。 混雑している店内は、学生が多い。 通されたテーブルで、開かれたメニューを見るが何を頼むかが決まらない。 「少しでも、食べられるものを食べたほうがいい。」 彼は、雑炊とかの軽めのメニューのページを開く。 じゃあ、それでいいかと思う。 正直、最近で何を食べても一緒だった。 アレに囁かれると、特に誰も居なくて、一人でいるときだと吐いてしまうことが間々あった。 そもそも、人が沢山いるところは目に見える範囲で「死にたい」と囁く瞬間を見てしまうから嫌いだ。 一人で居ても、気になって食事をする気分になれない。 だから、食事はそんなに楽しいものではない。 とりあえず、食べやすそうという理由で、うどんを頼んだ。 彼はハンバーグのセットを頼んでいた。 俺がキョロキョロと周りを見回していると、向かいの席から溜息をつく音が聞こえた。 ああやばい。慌てて耳を塞ぐが、気配が耳元によるのが分かる。 耳を塞いでいたので、よく聞こえなかったが、遅れてくる「死にたい」という気持ちに叫び出しそうになる。 「おい!」 目の前で手を振られ、耳を塞いでいた手を取った。 「いちいち気にすんな。」 呆れた様に彼は言った。     
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