ダスト・ガール

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 三浦伽はいつからこんな性格になったのだろうか。高校に入ってからというもの、彼女とは何かと縁があった。三年間クラスが同じで、委員会も何度か共に行うこともあった。だから、クラスの中でもかなり言葉を交わす同級生の一人だと思う。俺が知る限り、伽はこのような性格ではなかったはずだ。もっと笑顔が似合うような、活き活きとした表情が印象的だったような気がする。なんとなく今の彼女を見ていると、胸がキリキリと締め付けられるようだった。 「……そのゴミ箱はどこから持ってきたんだ?」  俺は背を向けている彼女に再び質問を投げつける。 「気づいたらあったの。何でも入るから捨て放題だよ!」 「へぇー。じゃあその人の魂以外も捨てたことあるのか?」 「んー……」  またも気まぐれな問いだった。伽がこうして何かを捨てている現場に遭遇したのは初めてではない。しかし俺は、彼女が人の魂だと言う謎の光を投げ捨てているところしか見たことが無い。 「ゴミ箱クイズ~!」 「はっ?」  伽が振り返って弾けるような声で言った。相変わらず真っ黒なままの瞳で俺を映し、彼女はニコニコと笑う。 「どうせならクイズにしようかなって。面白くない?」 「面白くない」 「だよね!面白いよね!じゃあスタート!」 「話聞いてたか?」  一人で勝手に盛り上がる伽を呆れながら見つめ、俺はため息を吐く。そんな俺のことなど気にも留めず、伽はクイズ番組の司会者のようなテンションで話し始める。 「問題です!テレレンッ♪私が屋上に来る前に捨てたものは何でしょう!?」  だいぶくたびれたローファーを鳴らしながら、伽が俺に歩み寄る。ずいっと顔を近づけると、答えを待つ漆黒の瞳が三日月のように微笑む。 「紙屑とかか?」 「えー、平凡すぎ!もっとヤバそうなヤツ」 「……死体とか?」 「そこまでじゃない」  思い切って尋ねてみれば、伽は笑顔を一瞬にしてしまい込んで淡々と返してきた。
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