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あの日、どうしてあそこに行ったんだろう?
と自問する。
そこは素敵なところだと聞き、私は興味があったから
と自答した。
ただ、あの日があったからこそ大切な彼と出会えた。
と思えば神様のいたずらなのかなと、前向きに思えることもある。
あの日以来、元気がなかった私を、友人がバスケットボールの試合観戦に誘ってくれた。
特にバスケットボールに興味はなかった私だが、友人の知り合いが出場するので是非一緒に行こうとの理由で、行く事になった。
試合会場に一緒に着くと、友人は知り合いを見つけて、一人、歩み寄って行った。
私もすぐに呼ばれて行くと、知り合いを紹介された。
挨拶程度の会話だったが、元気な人だっていうのが私の第一印象でした。
彼がチームメイトに呼ばれて、コートへ向かっていると、首だけをこちらに向けて
ニコっとしてた。
それが、私と彼との初めての出会いだった。
彼は、その試合で活躍はしていなかったが、私は彼を見ていた。
別にいいなぁとかは、なかったのだが
その時の、私には久しぶりに出会う異性だったため、少し意識してしまったのだ。
試合が終わり、友人とご飯に行くと、後から彼と彼の友人が合流してきた。
私は緊張してたのもあるが、今の自分に自信がなかったため、中々目線を合わすことができなかった。
そうすると彼が
「元気ないね?疲れた?試合はするのもしんどいけど、観るのもしんどいもんなぁ。おれも疲れたぁ」
私は今でも、なんであんな事を言ったんだろうと思ってしまうが、そこでの私は
「あんまり活躍できていない人に、おれも疲れたぁ、なんて言われたらチームメイトは、かわいそうだね。」
と言ってしまった。
本当に今でも後悔しています。
そうすると友人がすかさず
「ごめんねー、やっぱり初めてのバスケの試合で疲れてたみたい。私たちは先に帰るね。」
と言って、店を後にした。
帰り道に、友人が
「どうしたの?本当に疲れた??せっかく優しく声をかけてくれたのに、あんな風に言っちゃって」
と言われ、
私は涙を堪えながらも
「ううん。疲れてないよ。ただ今の私がどう接していいのかわからなくて」
言葉に出すと我慢ができなくなり涙を流した。
人の優しさが今の私には辛かった。
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