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への字の形をした美しい黒い鉄の塊、先端下部にはナイフの刃が取り付けられているが近接武器として使うにはあまりに使いづらそうなデザイン。
「形としてはボウガンに近いけど……クロイさん、これは一体?」
目の前に置かれた武器の正体が解らず、マシロはクロイに尋ねる。
「初めましてマシロ様。私の名前は、EVE《イヴ》46《フォーティシックス》。人間専用の小型レールガンにして人工知能を搭載した世界最高峰の拳銃です。どうぞ親しみを込めてエヴァとお呼びください」
しかし返答したのはクロイではなく落ち着いた大人の女性の声だった。
「へー、エヴァって名前の武器ですか。聞いたことないなーって……ええ!? 今喋ったのクロイさんですか!?」
「いや、明らかに女の声だったろ」
狼狽えるマシロを見かねたドラクロは苦笑いしながらカウンターに置かれた黒い拳銃を指さす。
「まさか……」
「そのまさかですマシロ様。この声はEVE46に搭載された人工知能が発声しているものです」
恐る恐るカウンターの上へと視線を戻すとやはりそこには各パーツの接合部分を青い光で点滅させながらこちらに向かって声を出している拳銃しか置かれていなかった。
つまりそういうことだ。物が喋っているのである。
「ギエーっ!? 武器が喋ってるぅうう」
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