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「か、神々に仇なした武器……そんな物をどこで?」
「最北の孤島から逃げるときに保管庫からパクッて来たのさ。エヴァも外に出たがってたしな」
カウンターの上に恐る恐る戻されたEVE46を今度はクロイが手に取って、ピカピカに磨かれた自分の武器を惚れ惚れとした顔で見つめる。
「しっかし惜しいよなー。エヴァの記憶データが削除されてなけりゃ昔のスフィアについてもっと色々聞けたのに」
「申し訳ありません。マスター」
「まったく。知識を失った人工知能に価値があるのか? ツカエネー」
「それを取り戻す為にマスターと共に最北の孤島から脱出したのです。あなたに高度な電子技術力があればすぐにでも記憶を復元できるのですが、ツカエネーデス」
「喧嘩売ってんのかてめーは!」
自分の武器と口げんかする人間という世にも珍しい光景をカウンター越しに優しく見守るドラクロ。そんな彼の様子を見ていたマシロはこの街に来た時から気になっていた事を尋ねてみることにした。
「あの、ドラクロさん」
「ん? 何だいお嬢さん」
「この街の人達って随分クロイさん……人間を普通に受け入れているんですね」
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