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「こんな物でどうだい? 手足の長さもお嬢さんぴったりだと思うよ」
「うーん。確かにアームとレッグガードはこれでいいけど……胸はもう少しまっ平らの物と腰回りはもう少し大きい奴じゃないとサイズ合わないな」
「何てこと言うんですかぁあああああああ!?」
クロイの追加注文の言葉を聞きつけたマシロが店内の奥から赤面してカウンターまで走ってくる。
「急になんだデカい声を出して。こっちはお前にぴったりな防具を探してやってるんじゃねーか」
「誰が平らな胸ですか!? 誰が寸胴体系ですか!? ぶち殺しますよ!?」
デリカシーのない発言の数々にマシロは自身の胸部と腰を両腕で隠すようにしながら涙目でクロイを睨みつけた。
そのあまりの迫力にカウンターの男2人は半歩引かされる。
「ドラクロさん、このサイズで構いません。これを頂きます」
「い、いやしかしお嬢さん」
「これを頂きます……!」
有無をの言わせぬ言葉の圧力の前には結局誰も逆らえず、クロイは会計を済ませて笑顔のまま額に血管を浮かび上がらせるマシロと共にトヨトミを出ていくのだった。
「さて私に『ぴったり』な防具も買った事ですし、後は食料と馬車ですね」
「……そ、そうだな」
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