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「ふざけんな! 大体こっちはお前を乗せると毎回盗賊に襲われるからいつも傭兵を雇ってるんだぞ」
「その盗賊も撃退してやるって。なぁエヴァ?」
「もちろんですマスター。私は神にも対抗できる銃ですよキース。盗賊の1人や2人何を恐れることがありますか」
持ち主の問いかけに目覚めたエヴァがホルスターの中から自信満々な声で答えるが、キースは勢いよく首を左右に振って拒絶する。
「マシロさんには悪いが2万ゴールドじゃなけりゃこの話はナシだ」
「そんな、ちょっとクロイさん」
頑として譲らない運び屋を前に焦ったマシロはクロイの耳に顔を寄せると小さな声で値切りの真意を聞き出そうとした。
「2万でもいいじゃないですか。手持ちは3万あるんですし」
「道中の栄養満点な食料や緊急用の医療薬、まだ揃えるものが残ってるからな。それにサルナに着いてからも金はいる」
だからこんなところで無駄遣いは出来ない。クロイの目はそう語っていた。
しかしキースからしてみればそんな事は知ったことではない。
「何をごちゃこちゃ言ってんだ。とにかく2万じゃなきゃ絶対お断りだからな!」
コーネリアの街中に怒号が飛ぶ。
クロイは顔を真っ赤にするキースを見て1度深いため息を吐くと、ホルスターからEVE46を抜いた。
「クロイさん!?」
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