琴浦ミコト登場回

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-前回までのあらすじ- さらに激化する戦闘。蠢く、〈七つの大罪〉と呼ばれる七体のレベル5の影。連続児童誘拐事件は止まらず、警察は何の手がかりも見つけられていなかった。一方世間では、大人気ドラマ〈小学生探偵ドリアン〉が終了し、ドリロスが蔓延する。そしてユウキ達の元に、言語癌対策室名古屋支部のキャスター、琴浦ミコトが助っ人として来るのだが......。 ▽ 「え、えぇぇぇぇっっっ!!??」 レベル4のレーザー。オレの前に立ち塞がりそれを止めた少年は、物凄く見覚えのある顔だった。 「君って、ドリアン少年!?」 「あっれ、見てくれてたんだー!応援ありがとねー!」 身長よりも大きい大剣を盾代わりに地面に刺した彼は、ひらひらと手を振って笑った。 そう。先週で最終回を迎えた大人気ドラマ〈小学生探偵ドリアン〉の主人公、ドリアン少年を演じていた天才子役がそこにいた。 確か、名前は。 「琴浦ミコト......!」 「名前まで知っててくれてるんだぁ。さてはファンだなこのこの!」 クールなドリアンと、本人の性格はだいぶ違うようだが、すらっと伸びた手足と整った顔、特徴的なタレ目が確かに本人だと分からせる。 「まぁ待ってなよ。ちょっと終わらせて来るから」 大剣を抜くと、彼はレベル4に向かってゆっくりと歩いていった。 「ふん。新しいキャスターが来ようが変わらん。穴だらけになって死ね!」 腕の発射機関から乱射される光の柱。 真っ直ぐ彼に向かって飛んで行った柱は、 何の妨害もなく彼の胸を貫いた。 「なっ......!!」 幾本もの柱が次々と刺さる。 物に刺さるとそこに残るレベル4のレーザー。彼の身体は至る所を串刺しにされ、一つのオブジェのようになっている。 「こ、琴浦君!!」 「はーい?」 焦りと共に叫んだ名前に、やたら悠長な返事が返ってきた。 そう返したのは誰でもなく彼自身。全身串刺しの彼だった。 「能力、〈劇的な嘘〉。僕に与えられたダメージは、〈虚構世界〉へと強制転移させられる。因果がずれたこの世界は、何とか辻褄を合わせようとする」 「こんな風にね」と、自分に突き刺さった柱をパコッと一本取る。 するとそれは、中心が曲がり、そこに身体を挟み込むことでまるで刺さったかのように見せる、ハロウィンの仮装グッズの様になっていた。
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