プロローグ。

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「悔しい…何でアイツの家なんて」 断られない自分も悔しいけど……。 ブツブツと文句を言いながら 荷物をダンボールに詰めて行く。 そうしたら 「ママ…お片じゅけ?」 娘の美桜が不思議そうに覗き込んできた。 「う~ん。お片づけではなくて お引っ越しをするのよ!」 「お引っこち…?」 美桜は意味が分からずきょとんと私を見る。 私は、美桜をギュッと抱き締めた。 せめてこの子だけは、苦労をさせたくない。 「ママ…くすぐったい…」 キャッキャッとはじゃぎだす。 「大丈夫よ…美桜。 あなたは、私が守ってあげるから」 だから我慢をしなくては……。
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