プロローグ。

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例え憎い相手と一緒に住む事になったって この子に手出しはさせないわ。 大荷物は、後で引っ越しセンターに頼むとして 持てるだけの荷物を持ち美桜を連れて あの男の自宅に向かった。 教えられた住所を頼りに あの男のマンションに行く。 だが、思っていた以上に 豪邸なタワーマンションに驚かされた。 いや、自分も豪邸に住んでいたから 規模だけなら驚くほどではないけど……。 ただ私の会社を乗っ取って こんな豪邸に住んでいるのかと思うと 複雑やら腹が立ってくる。 この家で家政婦として住み込みで 働かないといけないのね。 そう思ってマンションを眺めていたら 小さな美桜の手がギュッと握りながら 「ママ…ココ何処?」 そう尋ねてきた。 「新しいお家よ! さぁ行こう」 小さな手を握り返し歩いて行く。 インターホンを押すと あの憎き男の声が聞こえてきた。
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