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せめて家事をきちんとやらないと
アイツに馬鹿にされる。
それだけは、避けないと
ハァッ…とため息を吐いた。
荷物をそこそこに片付けて
美桜を連れて近くのスーパーに行った。
「あら、ココのお店…キャベツが安いわ。
あ、玉ねぎも…向こうのより2円も安いわ」
だが、その言葉にハッと気づいた。
いけない…。
すでに貧乏生活に板についてきたわ。
昔の生活ならこんなスーパーに行くなんて
有りえなかった。
全てデパートや使用人がやってくれたから
それにお金なんて見ずに買っていたし
自分が貧乏生活になるなんて思っても見なかった。
こんな姿…学生時代の同級生に
見せられたものではないわね。
ハァッとため息を吐きながら
カートを押して
材料を買っていると美桜が
「ママ…お菓子」
「1個だけよ?
ご飯が食べられなくなるから」
そう言い聞かすとお菓子コーナーで
カートから降ろしてあげる。
美桜は、嬉しそうにお菓子を選んでいた。
それを見ながらクスッと微笑む。
やっぱりこの生活を守らないとならない。
せめて…この子が成人するまでか復讐するまでは
私がしっかりしなくては……。
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