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まあ細かいことは気にしないでおこう。私は屋敷を出る前に使用人に出かけることを伝える。それから馬車に乗り、レストランへ。お店に入ると、2番の個室だと言われた。そこに入ると、2人は既にいた。
私が座ると、ジャスティお兄様が話し始めた。
「お前が誘うなんて、珍しいな。急にどうした? 」
「私をこきつかったからお礼をしてほしかっただけですわ、ジャスティ様」
「あ、それは──ありがとうな、ミレー。お前のお陰だ」
「まあ私はあなたに言われなくとも、もう少ししたら介入するつもりでしたから」
「そうなのか? 」
「ええ。軍から助けてくれと幾度も要請がありましたから。ただ、アダムスがそれを止めたので無理だったんです」
「なるほど、そうだったのか」
「いざとなったら、アダムスを無視して介入しようと思っていた矢先にあれですからね。私達が介入したら、多分荒事となっていましたわ」
「そんな恐ろしい場所に──」
「なあ、ミレー。さっきから思っているんだが」
「何です、ジル様」
「──昔みたいに、ジャスティお兄様、ジルお兄様と呼ばないのか? それに、敬語。堅苦しく感じる」
「ジル、それは無理な話だろう。私が本来は兄であるお前を呼び捨てするように、ミレーは部外者だから敬語を使う。そもそも、私達だってダーウィ様をお父様とは呼ばないだろう? 」
「だがここは個室だ。お母様の生きていた頃に、戻っても誰も咎めはしない」
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