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「お待たせ! 」
「ナナ、早かったわね。アーリィがなぜ選ばれたのか分かったの? 」
「全然。むしろ疑問が深まったよ」
「ふうん。それなら後回しにしようか」
「うん。今はとにかく、貰った資料から怪しい人をあぶり出さなきゃね」
「そうね。売店でサンドイッチを買ったから、食べながらやろう」
「うん、そうしよう! 」
私とデロニアは同室だ。寮の2階の1番奥。それなりに優秀だから個人部屋に移っても構わない、と言われたけれど一緒の部屋だと楽しいから断った。それに、1人だと寂しい。
私達が部屋に戻る途中、階段をかけ降りる金髪の少女とすれ違った。かなり香水の匂いがキツく、また派手な服に思わず目が奪われた。
誰だろう、と首をかしげているとデロニアが舌打ちをした。常に冷静な彼女にしては珍しい。
部屋に着いてから先程の舌打ちについて尋ねてみた。
「どうしたの、デロニア。さっきは舌打ちなんかしてさ」
「だって、さっきすれ違ったの、レオナ=ローレンスよ。茶髪だったのを金髪にして、おまけに組織の人間らしからぬ行動ばかりしている問題児。でもまあまあ優秀だから、呼び出しは受けていないみたいなの」
「よく知ってるね……」
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