あの日の放課後

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 答えを(さが)すように次々と本を読んでいく。  そして(なつ)かしさを(おぼ)える。(はじ)めて小説を手に取った時の興奮(こうふん)を。  大人(おとな)仲間(なかま)入りをしたくて興味本位(きょうみほんい)で小説を手に取り、その世界(せかい)()み込まれていった快感(かいかん)を。  そうだ、自分は作家になりたかったんだ。  そんな答えをふと思い出した。  (とし)なんてとうに若手(わかて)と言われる世代(せだい)からは過ぎ()っている。でも自分は小説を書きたかった。  何も考えず、無心(むしん)のまま小説を書いた。  それをネットに上げたが、評価(ひょうか)はイマイチだった。  でも、それでも()かった。  ユミは小説を書くことの(たの)しさを()った。そしてそれは自分の中のいつも(何かが違う)と言ってきていた言葉(ことば)合致(がっち)した。  ユミはやっと自分がかつて子供の頃に()てたものの意味を理解した。
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