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「終わりの始まり」
僕は「悪魔の子供」ってママに言われてるんだ。
どうしてそんなこと言うの?
ママに聞いても笑顔なだけで答えてくれない。
その笑顔もこわいんだ。
だから聞かないように。
聞かないようにってするんだけどね。
ママが甘い声で。
「あなたは悪魔の子供なのよ♪」
とか本当にたびたび呼ぶんだ。
僕はとにかく悪魔なんだろうな。
悪魔の子供なんだから。
ん。
てことは。
僕のパパとママが悪魔ってことだよね。
パパはどこかに行った。
ママは話すけどね。
知ってるんだ。
ともだちがスマホで過去のニュース写真見せてくれた。
マンション屋上から飛び降りたと見られる死体。
そんな見出しで氏名が出てる。
ママの部屋にあったどこかに書かれていた名前と同じ。
なんかピーンと来たんだ。
違いない。
これがパパなんだ。
こんな死に方をしなきゃいけないんだったら。
やっぱり本当に、悪魔なんだろうな。
もちろんママには内緒。
僕が知ってしまったこと。
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