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「現地に詳しい君の目から見て、この叛乱を成功に導くためには、なにが不足していると思うかね」
試されていると感じた。
ロレンスは不遜にうつるであろう笑みを浮かべながら答えた。
「シンボルです」
「どういう意味だ」
「アラブ人それぞれの部族を一つにまとめあげて連合国軍の一翼を担わせるためには、カリスマ性のある象徴的な人物が必要です」
クレイトンは口ひげを確かめるように触りながら首を傾げた。
「そもそも、エジプトもインドもイギリスも、アラブ人を対等な相手だとは思っていない。一段低い人種だと軽蔑している。イギリス軍とアラブ人たちの間には、基本となる信頼関係がないのです。信じていない相手との拙い連携ならないほうがマシでしょう」
歯に衣着せないロレンスの回答を聞いて、クレイトンは深い息を吐き出した。
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