1. イギリス外務省アラブ局

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「今回の叛乱の首謀者であるメッカの太守フサインは預言者の末裔とやらだろう。シンボルとするのには十分だと思うが」 「血筋や立場の問題ではありません。彼ら砂漠の遊牧民は純粋な力や器量のみをもって、個人を判断します。過酷な荒野で生活するのだから、信頼のおけない人物に自分の命を預けるわけにはいきません」 「あまり有能すぎる人物では、持ち駒として扱いづらい。あくまで、主導権はこちらになくてはならない。イギリスの利益を損なうようでは困る」 「クレイトン情報部長。お言葉ですが、凡庸な人物では指導者などとても務まらない」
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