旧友との再会

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 軽い昼食を終えると、明日の待ち合わせ場所を決めてから、その場で別れた。  浴場や競技場が混み出す時間だった。  人ごみに流されながら、キケロは心のどこかで安堵していた。ローマには打てば響くような言葉を返してくれる旧友がいて、学問の最先端にも触れることができる。  足取りは軽くなっていた。  こめかみをつき刺すような鈍い頭痛も、いつしかすっかり消えてなくなっていた。
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