旧友との再会

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 手足の長いアッティクスには、流れるような折り目のついた真っ白な長衣(トーガ)を巻きつけた姿がよく似合う。うしろには細長い包みを手に捧げ持った、まだ年若い従者が控えていた。一目でひとかどの人物だと見てとれる。  頬に傷のある男は薄笑いを浮かべて、泥のついた外套を見せつけるように広げた。 「なあ、アンタ。これを見ろよ。このチビがよぉ、けつまずいて転んで、オレの外套を汚しやがった」 「それはすまないことをした。それで、君たちはいま、私の大事な友人になにをしようとしていたのかな」 「あァ? なんだよ、アンタ」 「おい、もうよせよ。行こうぜ」  脇にいた二人は仲間の肩を揺するが、傷の男は大げさに鼻を鳴らすだけで取り合おうとしない。 「ろくに謝りもしねェで逃げようとしてたからよォ、ちょっとばかし、大人の礼儀ってモンを教えてやったンだよ。それともなにか、アンタがオレの外套を弁償してくれンのか?」  傷の男は目を細めて、アッティクスを値踏みするように眺め、舌なめずりしている。目的は明らかだった。たかれる相手から、できるだけふんだくろうと考えているに違いない。
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