第2章(1) スタートライン

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「あのさ神崎」 柏木がさっきとは打って変わったように明るい様子で話しかけてきた 「なんだ」 「こんなことがあった後で言うのもあれなんだけどさ、実は練習の後監督室で部員含めて の歓迎会的なのを考えてたんだけど...」 柏木はまたしても言いづらそうにしているようだ 「...そうか、お前俺がそういうの嫌いなの忘れたのか?」 「いや、忘れたわけじゃないんだ」 俺はこういう催しが嫌いというか苦手だ。あからさまにリアクションを求められる感じが どうも苦手なのだ 「実はこれをやりたいって言ったのが岩瀬なんだ...」 「はぁ...分かったよ。俺も岩瀬に謝らないといけないしな」 そういうと柏木は目を輝かせてテーブルの上に紙袋を置いて菓子やらジュースを並べだし た。まるで子供のようだ 「よ、よろしかったら美咲先生もどうですか?」 「え...私でも部外者ですし」 「いいやいや、ね、ほら岩瀬もそのほうが話しやすいだろうし、ね」 柏木は半ば強引に美咲先生を歓迎会の来賓として招待したようだ 確かに岩瀬もそのほうがやりやすいだろうしな 恐らく柏木の狙いは違うのだろうが
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