1章 凱旋

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「しかし6年ぶりの再会を祝う場所がファミレスか」 「いいじゃん。俺と神崎の仲だからいけるのよ」 俺が嫌味を言っても柏木は気にしてないようだ というか嫌味だと気付いていないだろう 「ここは俺が出すから安く済まさせてよ」 「いいよ俺も出すからさ」 そんな気遣いはいらない というかこいつに貸しを作るのが嫌だ 「いいよいいよ今日は教師様に奢られろって」 「俺も来月から教師だろうが」 「お前の性格だとどうせ見え張っていろんなものに金かけて貯金ないだろ?」 言い返せない。柏木はそれ見たことかと言わんばかりにやりと笑った 「相変わらずだな」 柏木は昼食のオムライスをスプーンでつつきながら言った 「相変わらずとっつきにくいってか?」 「そうやって自分を悲観的に語るとこが神崎らしいよ」 いかん。完全に柏木のペースだ 話題を変えよう
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