プロローグ テイクオーバー

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かの有名なランナーは幼いころいじめに耐えかねて自殺しようと考えた そのランナーは自殺は苦しい思いをすればできると考え 線路沿いを毎日日が暮れるまで走った 来る日も来る日も 死にたい苦しい死にたい苦しい どんなに苦しい思いをしても死ねなかった 彼はスピードを上げた さらに苦しい思いをするためにである だが死ぬことができない 彼は地を駆る足に力を籠め続けた 今日こそは死のう今日こそは死のうと いつしか彼はクラスでどころか町で一番の俊足になっていた 彼はそれでも死ぬことをあきらめなかった 町一番の俊足がいつしか県でトップを争う俊足に 走り続けた そして彼がたどり着いたのは 世界大会の表彰台であった
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