第2章(1) スタートライン

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そんなこんなで急遽始まった歓迎会は柏木のスピーチから始まった 「というわけで我が同志の神崎俊先生をコーチに迎えます。拍手!」 ぱちぱちと岩瀬と美咲先生が拍手を送った まだ春の訪れを感じるには少し肌寒い夕方の監督室は不思議と居心地がよかった 「神崎は学生時代は...卒業後は...」 柏木が我がことのように誇らしげに俺の経歴を紹介する 岩瀬は柏木の話す俺の経歴に大きな目をさらにかっぴらいて時にうなずきながら聞いていた 「美咲先生急な誘いですいません」 俺は柏木の話を聞いている美咲先生に声をかけた 「いえいえ!先生がそんな偉大な方だとは思わず、先輩面しちゃってこちらこそすみません!」 そう言って美咲先生は頭を下げた 「いえいえ、こんな経歴は先生の世界では意味のないものですから」 「そんなことありません!一つのことを極めようとすることは素敵です!」 いやいや、極められなかったからここにいるんだけどな...
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