プロローグ テイクオーバー

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「次は富岡、富岡に停まります」 運転手の機械的なアナウンスで現実に戻される ここで降りるんだったな 憂鬱なのは雨のせいだけじゃない これからあいつに会うからだ 正直会いたくない だが会わねばならない 電車を降りると湿り気を帯びた風がホームを駆け抜けた その湿り気さえも鬱陶しい 俺は疼くアキレス腱をかばいながらゆっくりと改札へ向かう階段を上った
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