プロローグ テイクオーバー

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階段を上ると改札前に奴がいた 少し太ったか?頬のあたりに肉が付いた気がする 大学4年生の時にあってから6年もたっているのでは仕方ない 6年か...長いようであっという間だったな 年を取ると過去を振り返りたくなるらしいがなるほどそうかもしれない 年齢を重ねると人生の歩みは遅くなり休憩が多くなる その時にふと振り返って自分の越えてきた山や峠を見て満足するのだろう 俺は杖を突いて足を引きずってやっと山を越えていくのに対して あいつはスキップで峠を越えるのだろうピクニックを歌いながら 気持ち歩みを遅らせながら改札を抜ける 奴が俺に気付いたようだ まだ雪の残る3月だというのに額に汗を浮かべたあいつは俺のもとへ駆け寄ると 「久しぶりだな!お帰り神崎!」 6年前を面影を残した屈託のない笑顔を浮かべた
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