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決められた人生
サリエル・ミューラは間もなく6歳の誕生日を迎えようとしていた。
厳格な父であり、この国では名を知らぬ者のいない王国軍総司令官 ラドレス公爵マゼスティ・ミューラ。
厳しめの母であり公爵夫人のリリアス・ミューラ。
ーーそして、2つ年上の義兄、フランツ・ミューラ。彼はサリエルと血の繋がりはない。
なんでも、フランツの両親はフランツが2歳の頃に事故で他界したらしい。
家はとても裕福で、サリエルは容姿にも恵まれていた。
それでも、彼女は決して自分が恵まれていると感じたことはなかったのだ。
何故なら自分の人生がどんな道を辿るのかを既に知っていたからだ。
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