婚約者との対面

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婚約者との対面

 誕生日当日、いつか現れるだろうと思っていた人はとうとう私の前に姿を現したのだ。  ラウル・ベジスミン  青い髪に澄んだ瞳は、若干つり目だが大きい。  透明感のある白い肌がより青を深みのある色にしていた。  まだ幼いが、美しいという言葉が似合う美少年だった。  ラウルの隣にいるバージェス・ベジスミンが口を開く。 「とても可愛らしく聡明そうなお嬢様だ。おまえは とてもつているな、ラウル」  バージェスと父は嬉しそうに話をしている。  そんな様子を見てふと思う。  この婚約は、ラウルにとっても私にとっても決してついてるものではないのだ。  将来私はラウルの恋の障害となり、煩わしい存在になる。  下手したら、ラウルは私を殺してしまうだろう。  既に親同士は、何を言っても婚約を決めてしまっているようで、6歳である私が何を言ったところで何にもなりはしない。  当人達が本当に合わないと行動で示さなければ婚約解消は難しい。  失礼な事は父の立場を考えると世間体が悪いので実行し辛い。  ーー…まだ時はある。  学園生活が始まるまでに私は婚約を解消していれば悩みが1つ消えるだろう。  何せ攻略キャラクターは4人いるのだ。  サリエルは何故かいつもヒロインと攻略キャラクターの恋を邪魔をしにくる悪役令嬢だった。  全てのキャラの邪魔をする悪役令嬢ってわりと珍しいのではないかと思うが、登場してしまうのはしょうがない。  とにかく、1人減るだけで学園生活での私の負担は減るだろう。
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