10.ルージュ岬

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王都へと続く街道。 それもまたルージュ街道と呼ばれている。 陸路からの貿易の架け橋、商人街道とも言われ、綺麗に整備された石畳みの道は、多くの人々が行き交う南の大陸を象徴する街道だ。 だが今は真夜中。 ちらほら人とすれ違うが、こっちを気にする様子もない。テッドにすら無関心だ。 明るいうちは警護隊が目を光らせているが、夜になると魔物も出る。こんな時間にここを歩く奴らなんて、貧乏冒険者か盗賊か酔っ払いぐらいか。 「旦那ぁ…いいのか?こんなに堂々と歩いてもよ…」 「ガウ」 それにルディに貰った腕輪の効力だろうか? こんな夜更けに子供っぽいのが二人、それでも襲われないのだからおそらくそうだろう。 この腕輪はたぶん仲間にも効果がある。 まあ、正しくは使用者が仲間と認識している相手にも、だな。 何人まで有効なのかわからないが、少なくともテッドにも俺と同じように隠密効果が出ているようだ。 さすがは魔女に貰った魔道具ってとこか。 「まあ、旦那が大丈夫なら大丈夫なんだろな」 どういう意味で? 「そういや、ルファスの奴はどうしたか聞いたか?」 「………?」 っ!!!!!!! 俺はピタッと歩みを止め、固まった。 「えっ!?まさか何も聞いてないのかよ!?旦那の相棒だろ!?」 いや相棒でもなんでもないが…。 そうか。何か聞き忘れていると思ったらルファスのことだ…。 うっかりだ。
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