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なんとかうまく行った。
テッドがやたらと驚いているが、それは俺も同じだ。
スキルを最大限に使い、スピードに極振りした。
あとは魔物に衝突しないよう避けながら崖を目指し、岩肌に生えていた火炎草を採取、同じ要領で引き返してきた。
ドラゴンみたいな魔物もいたな…。
よく気づかれなかったもんだ。
体感的には往復五分程度かな?
魔力のない状態でこんなことをするのは賭けみたいなもんだったが、俺のスキルを活かせばこれぐらいのことができるだろうという確信もあった。
「旦那の祖先はスターラビットかなんかなのか?」
「ガァ」
知るか、と関所の壁をまたよじ登る。
今ならまだ人だかりはできていないはずだ。
つかスターラビットであのレイドって剣士を思い出した。あの時のレア肉、また食べてぇなぁ…。
でもあいつら素早いし、捕まえるの苦労するんだよな…。滅多に見つからないし…。あーまたなんかイライラしてきたからこれ以上考えまい…。
関所の壁を越えると、遠目に人の影が見え始めていた。
ヤバイ。さっさと次に向かおう。
俺とテッドは足早で街道に戻る。
ルディのおつかいメモを見ると、なにやら見たこともない文字が並んでいていた。
魔道具屋に見せればわかるとか言っていたな…。詳しくは知らない方が良さそう…。
俺はメモをズボンのポケットに入れる。
王都か…。こんな姿じゃダイル王は会ってくれねぇだろなぁ…。
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