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スキルを発動したまま、グラハムの不意の一撃を交わす。
グラハムは小型のナイフを隠し持っていた。
やはり暗殺が得意なんだろう。毒なんか塗ってそう…。
俺はルディに放った連撃を、今度は当てるつもりで放つ!!
「ぐっ!?こいつ、まだ…!?」
ギィン!!と金属が衝突する音を響かせ、奴はなんとか捌いている。だが捌ききれない剣撃もあり、徐々に傷が増えていく。
「ぐっ!?ぐぁ!?ちぃっ!!」
埒が開かないと見たのか、一度大きく後退した。
今だ!!
「っ!?」
最後の力を振り絞り、追撃。
食らえぇえ!!!
ドォオン!!
「ガッ!?」
奴に後一歩と迫った時、地面が爆散し、俺は態勢を大きく崩してしまった!!
こいつ!!威力は大したことないがトラップ魔法を仕掛けてやがった!!
奴はニヤリと笑みを浮かべると、隙のできた俺に何かを投げつけた!!
キィンッ!!と弾いたそれは、手裏剣のような形をした暗器だった。
くっ!!真正面から戦わず、相手の隙を作ってそれを突く戦法か!?やりにくい…。
「たぁぁぁあああ!!!」
グラハムは当然、その隙を突いて迫る!!
ちぃ!!反撃を…!!
ガクンッ!?
と、俺は膝が崩れてその場に倒れてしまった!
くそっ!!限界かっ!!
「ふふっ。その体で良くやりました。さよならです!!!」
「旦那ぁぁああ!!!!」
奴のナイフが迫る!!
意識が飛びそうだ…。
もう…
「……遅れた。すまない」
遠ざかる意識の中、聞き覚えのある声で確かにそう聞こえた。
ああ…遅ぇんだよ……。
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