14.残酷な現実

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テッドが作った料理は簡単な野菜炒めだったが、これがなんとめちゃくちゃ美味かった。野菜を食べたかったってこともあるが、とにかく味付けが絶妙だった。 テッドは「お袋に比べたらたいしたことねぇ」と謙遜していたが、それならばテッドの母親の料理はどんだけ美味いんだ?と非常に興味が湧く。 今度から料理番はテッドに任せても良さそうだな。 「テッド殿が作る料理はレパートリーも豊富で、そのまま店に出しても良いようなものばかり。なかなか隅に置けぬ」 いつの間にか呼び方が変わっている。 どうやら料理の腕と共に格が上がるらしい。 てかルファスの奴、フツーに猫みたいに食ってやがる。なんだ?前世は猫だったのか? 「あ、旦那、悪いけど金貨を使わせてもらったぜ。でもあと十万ギニーはあるけど、あんな大金どうしたんだよ?」 「いいんだ。金貨はあのレイドって奴と初めて遭遇した時に勉強料として拝借したものだ」 「勉強料って…。そういやあの疾風のレイドと対峙してよく生きてたよな。それどころか退けちまったしよ」 「テッドはあいつらを知ってるのか?」 「そりゃ南の大陸であの二人を知らない奴はいないよ。どっちもランクA +だしよ」 「ちょっと。そんなのどうでもいいでしょ?もっと話すことあるんじゃない?」 そうだな…。ルディの言う通りだ。 俺は一番気になっていたことを聞く。
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