11236人が本棚に入れています
本棚に追加
「そっか…。アンタも大変だったんだ」
そんなテッドと違い、ルディはすんなりその話を信じた。
「ルディ、この状況はなんなんだ?俺に何が起きてる…?」
「わからないわよ…。ボクだって…」
マジか…。ルディにもわからないことあるんだな…。
「シャクだけど…」
「あ?」
「あのバカ女に聞いたら何かわかるかもね…」
「なら結局アルマに会うしかねぇってことか。でもよ、どうやって…」
「それくらいアンタで考えなよ…。それに、二十年経ってるってこと忘れないで」
「あん?何が言いたい?」
「……。本当に聞く?アンタにはツラい話だよ」
これ以上にツラい話があんのかよ?
「…聞かせろよ。散々しんどい目にあってきたんだ。これ以上があってたまるか」
ルディは大きくため息をつくと、「本当にいいのね?」と念を押してから、
「あの女、結婚したのよ」
と言った。
「ん?」
んん?
誰と?
俺と?
「んんん?」
「だから……」
「旦那…本当に知らねぇんだな。さっき言ったグランローゼは相手の家名だよ。どこぞの貴族様らしいけど、みんな言ってたぜ?ほぼ逆玉じゃねぇかってさ…」
「テッド、黙りなさい」
ルディはテッドの言葉を制して、心配そうな顔で見てくる。
「…大丈夫?」
は?
…大丈夫?
いや?
んなわけねぇだろが……。
最初のコメントを投稿しよう!