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トボトボと、川沿いを歩く。
たまにチラッと川に映る自分を見てみる。
はぁ…。
溜息しか出ねぇよ…。
そこには緑色の小さい体の魔物が映っていた。
マジでゴブリンじゃねぇかよ…俺。
あれからなんとか村を出て、元の湖近くまで戻ってきた。
夕陽に照らされた湖の綺麗な光景を見ても、なんとも思わない。
悪い冗談だ。
これは"呪い"の類いだろうか?
そうだとしたら、姿をゴブリンに変えられたんだ。
記憶は俺のまま、姿形だけでなく、生態までゴブリンにされた。
魔力がないことや、人間の言葉を話せないこともその証拠だ。
だが、いったい誰が?
王都近郊の森に住んでいた魔女の嫌がらせか?
アルマとやけに言い争っていた。
俺は魔女と一緒にお茶を飲んだだけなのに、アルマったら…。
まさか、あのお茶に何か良からぬ物が入っていたのか?
そうだとしても時間が経ち過ぎているだろ。
そもそも、"アイツ"を倒してからどれぐらい経ったんだ?
意識を失う直前、手応えだけはあったから倒したはずなんだが…。
こうして世界も動いているし、それが証拠か。
なら、今大事なのは元の姿に戻るってことだ。
それこそ魔女に聞いたら何かわかるかな?
いろいろ問題はあるだろうが、一つ一つ解決していくしかない。
絶対元に戻り、アルマに会うんだ!!
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