2.疾風のレイド

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トボトボと、川沿いを歩く。 たまにチラッと川に映る自分を見てみる。 はぁ…。 溜息しか出ねぇよ…。 そこには緑色の小さい体の魔物が映っていた。 マジでゴブリンじゃねぇかよ…俺。 あれからなんとか村を出て、元の湖近くまで戻ってきた。 夕陽に照らされた湖の綺麗な光景を見ても、なんとも思わない。 悪い冗談だ。 これは"呪い"の類いだろうか? そうだとしたら、姿をゴブリンに変えられたんだ。 記憶は俺のまま、姿形だけでなく、生態までゴブリンにされた。 魔力がないことや、人間の言葉を話せないこともその証拠だ。 だが、いったい誰が? 王都近郊の森に住んでいた魔女の嫌がらせか? アルマとやけに言い争っていた。 俺は魔女と一緒にお茶を飲んだだけなのに、アルマったら…。 まさか、あのお茶に何か良からぬ物が入っていたのか? そうだとしても時間が経ち過ぎているだろ。 そもそも、"アイツ"を倒してからどれぐらい経ったんだ? 意識を失う直前、手応えだけはあったから倒したはずなんだが…。 こうして世界も動いているし、それが証拠か。 なら、今大事なのは元の姿に戻るってことだ。 それこそ魔女に聞いたら何かわかるかな? いろいろ問題はあるだろうが、一つ一つ解決していくしかない。 絶対元に戻り、アルマに会うんだ!!
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