14.残酷な現実

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アルマが、 結婚した? 俺じゃない別の奴と? そんな話… 「信じられるわけねぇよ…」 「旦那、どこに…」 「いいの、行かせてやりなさい」 何も考えられず、部屋を出る。 俺の気持ちを表すように、外は雨が降っていた。 「本当に、何が起きているんだ?」 下を向いて、自分の手を見る。 緑色で、細く小さな手だ。 命力を全て放出した代償なのか? それとも、ルディでも知らないような呪いか? 二十年…。 でも俺にとっては昨日、今日の話なんだ。 信じたくない…。 アルマ……。 「ずいぶん落ち込んでいるな。お前らしくもない」 声をかけられてビックリした。 そうか。こいつも外にいたんだったな。 「うるせぇ。わけもわからず失恋した俺の身にもなれよ」 「状況はわからんが、お前が元人間だということは理解した。納得もできる」 「自分から外に出ていったくせに盗み聞きかよ。つかお前にも何が起きたんだ?なんだよその姿」 「仮、と言ったであろう?今この身体は一時的に借りているのだ」 「借りてる?」 どんな方法で借りるんだよ。 「ルディ嬢が放った魔法はただの転移ではなく、人間の世界では禁術にあたる時空転移と呼ばれる魔法であった」 時空…転移?聞いたことねぇ。
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