14.残酷な現実

11/12
前へ
/2201ページ
次へ
「簡単に言えばこの世界ではない、亜空間へ転移させられたのだ。私の本当の体はまだそこにある。私は精神体となり、この猫の魔獣に転移の要領で憑依している」 ちょっと何言ってるかわかんねぇ。 憑依て…なんかキナ臭い話になってきたな…。 「全く不便で仕方がない。魔力は全力時の十分の一程度しか使えんし、爪を研ぎたくなるし、定期的に毛繕いをしないと落ち着かんしだな…」 ほぼ猫じゃねーか。 「その…ありがとよ。あの状況で俺を助けるなんてな…」 「礼には及ばん。それよりさっきの話、本当だろうな?」 さっきの?どの? 「お主がノア様を葬ったという話だ」 「ノア様?」 「人間共は漆黒の闇と呼んでいたな?」 あー。こいつらはそう呼んでたのか。まぁ、ここで嘘ついてもしょうがねぇな。 「ああ」 「そうか」 あれ?案外…なんかあっさりしてるな? 「それが本当であれば、私は魔族失格であるな。主人の仇敵の命を救うとは…」 「そう…なるよな。恨むか?」 「ふふん。私はもともと魔族失格である」 「あ?」 「一族のはぐれ者。恥さらし。他にも蔑みの呼び名はいくつもある。…ガル殿、デルグリムという名に聞き覚えは?」 デルグリム…!!! 「魔王か」
/2201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11236人が本棚に入れています
本棚に追加