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「簡単に言えばこの世界ではない、亜空間へ転移させられたのだ。私の本当の体はまだそこにある。私は精神体となり、この猫の魔獣に転移の要領で憑依している」
ちょっと何言ってるかわかんねぇ。
憑依て…なんかキナ臭い話になってきたな…。
「全く不便で仕方がない。魔力は全力時の十分の一程度しか使えんし、爪を研ぎたくなるし、定期的に毛繕いをしないと落ち着かんしだな…」
ほぼ猫じゃねーか。
「その…ありがとよ。あの状況で俺を助けるなんてな…」
「礼には及ばん。それよりさっきの話、本当だろうな?」
さっきの?どの?
「お主がノア様を葬ったという話だ」
「ノア様?」
「人間共は漆黒の闇と呼んでいたな?」
あー。こいつらはそう呼んでたのか。まぁ、ここで嘘ついてもしょうがねぇな。
「ああ」
「そうか」
あれ?案外…なんかあっさりしてるな?
「それが本当であれば、私は魔族失格であるな。主人の仇敵の命を救うとは…」
「そう…なるよな。恨むか?」
「ふふん。私はもともと魔族失格である」
「あ?」
「一族のはぐれ者。恥さらし。他にも蔑みの呼び名はいくつもある。…ガル殿、デルグリムという名に聞き覚えは?」
デルグリム…!!!
「魔王か」
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