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魔王デルグリム。
正直、漆黒の闇以上に厄介な相手だった。
こいつの幹部に仲間も殺され、俺も深傷を負った。
アルマの神聖魔法がなければ全滅していたかもしれない。
とどめは俺が刺したけどさ…。
「アレは私の兄だ」
ええええええええ…。
「ふふふ。いいのだ。アレのせいで私もずいぶん苦しめられた。アレは葬られて当然の存在。恨みなどあるはずもない」
「でも家族だろ?」
「人間の家族と一緒にするでない。…いや、ある意味人間の家族と遜色ないのかもしれん。嫉妬に晒され、私は一族から疎まれ、はぐれ魔族となった」
なんか…。意外と複雑な家庭環境だったんだな…。
あとそれでか。ルファスが魔族らしくない魔族と感じたのは。
人間と遜色ない…か。
確かに貴族の家庭を見ると、似てるようなところもあるかもしれない。
「だが死神とはな」
「ん?」
死神?
「ガル殿の話を信じるなら、お前は我々の間でそう呼ばれていた。命拾いをしたのは私の方だったようだ」
「ジョークだよな?」
「ははは!それほどガル殿は我々にとって脅威だったのだ。褒め言葉と受け取ってもらいたい」
はは…笑えねぇ。
「お互いの経緯はわかった。これからどうするのだ?」
決まってんだろ。
「アルマに会うのは変わらねえ。結婚した…ってことも直接会って確かめねぇと気が済まねぇ…」
「それだけの為に命をかけるか」
「それだけが生きる糧だったんだよ。今はな」
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