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「ここだ。ロッチとガシュタインはここに残れ」
「うい」「へいっす」
地下街をさらに降りて行って、おそらく一番下。最下層とでもいうのか?壁に重厚な扉がくっついていた。つか太っちょ…思ってたより強そうな名前だな。どうでもいいけど。
その扉をバンズくんがノックすると、扉の真ん中の小窓が開いた。
「頭取に面会したい。新顔だ」
返事はない。だが小窓が閉められ、少し間を置いてギィイ…と重そうな音を立てて扉が開く。
中には黒ずくめの男が一人いた。頭、ツルッツルだな!!
「入れ」
ツルツルはバンズくんから俺へ目線を泳がせ、そう一言だけ声を発する。無愛想な奴。
「ついてこい」
中に入ると薄暗いが、けっこう広い空間が広がっていた。あちこちに装飾品や絵画も飾られている。
ツルツルのあとについて広い廊下を進んでいくと、また重厚な扉があった。どこからか風を感じる。空調もキチンとしているなぁ…。
「エルシオ様。バンズの奴が客を連れて来ました」
ツルツルが扉に向かって話しかけると、中から「おう。入れ」と女の声が返ってきた。
ん?頭取は女性なんだ?
「くれぐれも粗相のないように」
そう言って扉を開ける。
これまた広い部屋だ。廊下にあった装飾品よりもさらに豪華な物で溢れ、目の前に高そうな机、その奥にその人物は立っていた。
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