16.抜け道

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「久しぶりだなバンズ」 その女は金色の長い髪を後ろに束ね、一見はスラッとした美人という印象を受ける。 長いロングコートを羽織っているが、開けられた胸元はサラシを巻いているだけで、そのワガママボディを惜しげも無く披露していた。そしてジャラジャラと宝石をあしらったネックレスやら腕輪やらをやり過ぎだろってくらい身につけている。 「頭取、お久しぶりです」 「おう。後ろのそいつは?」 「情報が欲しいって奴です。えーと名前は…」 そう言ってバンズくんがこっちを見る。 あとは俺が話すか。 「ガルだ。こっちはペットのルファ…痛てっ」 ルファスが尻尾で足を叩く。悪い悪い。 「相棒の、ルファスだ。さっそくだが」 「情報ね。見返りは?」 「っ!!」 ははっ!気持ちいいぐらいズバッと取引を持ちかけてきた。 いいぜ。腹の探り合いなんて性に合わないからな。 「まずは情報について話をしてもらう。見返り云々はそれからだ」 「ふんっ。まあ、それはそうだな。で?何が知りたい?」 「城へ忍び込む方法だ」 「っ!?」 エルシオは一瞬目を見開く。でもすぐ真剣な表情に変わり、 「バンズ、またイカれた奴を連れて来たね」 とバンズくんに話しかけた。 「へへ。あと頭取、こいつをガキと見て侮っちゃダメですぜ。恥ずかしながら一瞬で返り討ちにあいましたよ」
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